はじめに:自然との共生を目指す、私たちの原点
私たち縄文企画は、その名の通り、古来より日本人が育んできた「自然と共生し、その恵みに感謝する」という精神を現代に再興し、持続可能な社会の実現に貢献することを使命としています。テクノロジーが進化し、便利な世の中になった一方で、私たちはいつしか自然から遠ざかり、その声に耳を傾けることを忘れがちになっていないでしょうか。
この度、私たちがアシックスジャパン株式会社(以下、アシックス)が主催する「ASICS Run for Reforestation Challenge in 石垣島」のサポートさせていただいたのは、このイベントに私たちの理念と深く共鳴する、力強いメッセージが込められていたからです。それは、「スポーツの力で、地球の未来を守る」という、革新的かつ本質的なアプローチでした。本レポートでは、この素晴らしい挑戦の全容と、私たちがそこに込めた想いをお伝えします。
舞台は石垣島。スポーツと環境保全が織りなす新たな挑戦
イベントの舞台となったのは、世界有数の美しいサンゴ礁と亜熱帯の豊かな自然が広がる沖縄県・石垣島。この島は、多くの人々を魅了する楽園であると同時に、気候変動による海水温の上昇や海洋プラスチック問題といった、地球規模の環境課題の最前線でもあります。
アシックスは、毎年開催される「石垣島トライアスロン」と連携し、これまでにないユニークな環境保全活動を企画しました。それが「ASICS Run for Reforestation Challenge」です。ルールはシンプルでありながら、非常にパワフルなもの。イベント参加者が5km走るごとに、アシックスが1本の木(マングローブまたはフクギ)を植樹するというものです。
今回、事前応募で集まった28名のトライアスリートと関係者の皆様が、この意義深いチャレンジに参加されました。彼らの一歩一歩が、単なるタイムや記録のためではなく、島の緑を増やし、地球の未来を支えるための確かな一歩となる。このコンセプトに、私たちは企画段階から深く感銘を受け、イベントの企画運営、地域連携のコーディネート、そして広報活動の一翼を担う形でサポートさせていただきました。
プロギングで向き合う現実。島の美しさを、自分たちの手で守る
このイベントは、植樹に留まりません。もう一つの大きな柱が「プロギング」の実践でした。プロギングとは、スウェーデン発祥の、ランニング(ジョギング)とごみ拾い(Plocka upp)を組み合わせた新しいフィットネスです。
参加者たちは、石垣島の美しい海岸線を走りながら、ペットボトルやプラスチック片、漁具の破片など、打ち上げられたごみを一つひとつ丁寧に拾い集めました。照りつける南国の太陽の下、額に汗しながら黙々とごみを拾うその姿は、スポーツが持つポジティブなエネルギーが、環境保全活動へと昇華する瞬間を象徴していました。
結果として、わずかな時間で回収されたごみは、実に58袋分。この数字は、島の環境美化に大きく貢献したという成果であると同時に、美しい景観の裏に隠された深刻な現実を私たちに突きつけました。縄文企画のスタッフも参加者と共に汗を流しましたが、想像を絶するごみの量に、誰もが言葉を失いました。しかし、この「現実を知る」ことこそが、行動を変えるための最も重要な第一歩なのです。
オリンピアン・パラリンピアンが体現する「アスリートの責任」
本イベントには、日本のスポーツ界を牽引するトップアスリートの方々も参加され、その想いを自身の行動で示してくださいました。競泳パラリンピアンの一ノ瀬メイ氏は、「5km走ると1本の木が植えられるという仕組みが素晴らしい。自分のアクションが、目に見える形で環境貢献に繋がるのはモチベーションになる」と、この取り組みの持つ力を語りました。
東京2020パラリンピックにも出場したトライアスロンの宇田秀生選手は、「来た時よりも美しく」という自身のモットーを掲げ、誰よりも積極的にプロギングに取り組みました。その姿は、競技フィールドである自然への深い敬意と感謝に満ちており、スポーツを愛するすべての人々にとっての鑑となるものでした。
そして、長年にわたり日本のトライアスロン界をリードしてきたオリンピアンの庭田清美氏は、「私たちが競技で使う海や山、その環境を守ることこそが、スポーツの未来、そして次世代のアスリートたちを支えることに繋がる」と、力強く語りました。
彼ら、彼女たちの言葉と行動は、アスリートが単なる競技者ではなく、社会にポジティブな影響を与える「チェンジメーカー」であることを証明しています。私たち縄文企画は、こうしたアスリートの声を社会に届けるサポートができたことを、心から誇りに思います。
参加者の心に灯った、小さな変化の炎
このイベントがもたらした最大の成果は、回収されたごみの量や植樹される木の本数だけではありません。それは、参加者一人ひとりの心に生まれた「意識の変化」です。
「こんなに美しい海に、これほどのごみがあるという現実に衝撃を受けました。これからは、ごみを出さない生活を真剣に考えたい」と語ってくれた20代の男性参加者。 「プロギングをしてみて、自分も普段、無意識に環境を汚していた一人だったことに気づかされました。小さなことでも、できることから始めようと思います」と振り返った30代の女性参加者。
これらの声こそ、イベントが成功した何よりの証です。一過性のお祭りではなく、日常の行動変容に繋がる「きっかけ」を提供できたこと。それこそが、私たち縄文企画が目指す社会貢献の形です。
私たち縄文企画が描く未来
「ASICS Run for Reforestation Challenge」は、スポーツ、アスリート、企業、そして地域社会が一体となり、環境保全という共通の目標に向かって進む、素晴らしいモデルケースとなりました。この活動をサポートできたことは、私たち縄文企画にとって、自社の存在意義を再確認する貴重な経験でした。
私たちの祖先がそうであったように、自然を畏れ、敬い、その中で生かされているという感謝の念を忘れない。その「縄文の心」を胸に、私たちはこれからも、社会課題の解決に繋がる意義深い活動を積極的にサポートしてまいります。
この記事を読んでくださったあなたも、ぜひ身の回りでできることから始めてみませんか。ごみを一つ拾うこと、環境に配慮された製品を選ぶこと。その一つひとつの小さな選択が、やがて大きな潮流となり、未来の地球を守る力となります。
私たち縄文企画は、アシックスのような先進的な企業や、志を同じくする皆様と共に、より良い未来を創造するための一歩を、これからも力強く踏み出してまいります。